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沈黙のはかり方
2024.1.13 - 2024.1.15
井野団地
沈黙には始めもなければ、また終わりもない。沈黙は、万事がまだ静止せる存在であった、あの歴史以前の時代に由来しているものと思われる。沈黙は、いわば創造に先立って在った永劫不変の存在のようなのだ。
マックス・ピカート 「沈黙の世界」
作品とそれを取り巻く環境は、不可分である。つまり、作品それのみを鑑賞することは不可能である。 私たちが一つの展示を通して見ているのは、各々の作品ではなく、作品の展示された空間である。そしてそれは、あなたや木々や夕日や雷雨の間に広がっているあの空間と同様に、沈黙の次元に属している。 「沈黙」は、如何にして“はかる”ことが可能か。 「地と図」の関係において常に物事の地となっている「沈黙」を、“測る”、“計る”、“量る”、あるいは“図る”ことが、如何に可能であるか。 これは身の回りに満ちていながら捉えることのできない「沈黙」を捉えようとする試みである。
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